アスペルガー夫に「計画性」という文字はない
ある日アスペルガー夫と口論になりました。
まだ私が夫のことを「アスペルガーかも」とさえも思っていなかったときの話です。
転職したばかりで収入が激減したにも関わらず、休みの日にはゴロゴロしてスマホ三昧。
そのうえ「商売を始めたい」などとふざけたことを言い出したので
「そのための物件はどうするの?資金は?必要な資格や許可証などは?調べたことあるの?いつまでにいくら貯めるとか、もっと計画立てて考えるべきじゃないの?」
私が言ったことがきっかけで口論がスタート!
アスペルガー夫は先のことを考えて生きるのは疲れる
アスペルガー夫は数日先の予定を立てて早めに準備をして動いたり、計画に沿って行動することができない、というのはずいぶん前から感じていました。
逆に私は、何かをしようと思ったらまず計画を立てて動くタイプ。
例えば旅行に行きたいなら、少なくとも3か月前ぐらいからリサーチを始めて、飛行機・列車・ホテルなどの早割を調べて予約したりします。
引っ越しなど一大事ならなおさらです。
荷物を送る日、引っ越し業者が来る日などを大体決めて、それから逆算して荷物の整理を始めます。
私はこれが当たり前だと思っています。
ある程度計画して動かないと、その時になって慌てるし、大きなミスなんかも起こりやすくなりますよね。
特に子どもが生まれてからは気をつけるようになりませんか?
1歳の子どもを連れて10時の約束に間に合うようにするには、何時ごろから何を準備するべきか。
子連れで遠出する場合は、昼寝や食事の時間など考えますよね。
いつもと違う生活リズムになりそうなときは、昼寝の時間をずらすなど、事前に計画を立てるってすごく重要だと思うんです。
しかし、アスペルガー夫にとって私のそういう考え方や行動がとても苦痛になっているということがわかりました。
夫はこういいました。
「お前みたいに何でも先のことを考えて準備して動くのは嫌なんだ。そんな生き方は疲れる!」
と。
この言葉を聞いたとき、私は頭の中が「???」状態。
(この人何言ってんの?そんな生き方は疲れるだと?これまで何でもかんでも私が事前にリサーチして、計画して、動いてきてやったから何とかなってんだよ!それを疲れるだと?ふざけんな!!!)
これが、私の正直な心の声でした。
でもそのまま言ってしまうと、バトルになると思ったので
「でも、何でも計画することって大事だよ。」
と言いかけたのですが、頭に血の上ったアスペルガー夫には通用しません。
その時も全く関係のない車の運転の話を持ち出してきたんです。
「俺の運転が下手だ、下手だっていうけど、ちゃんと免許取れてるんだよ!国が免許を発行したんだから大丈夫なんだよ!」
みたいにまくし立ててきて、私の頭の中はさらに「???」
いやいや、それ今の話と全然関係ないでしょ!
この人とまともな話はできないのか・・・って思いました。
アスペルガー夫は何とかなると思ってる
アスペルガー夫は計画することが苦手だから「嫌い、疲れる」と言ってるんだと思います。
転職する前は、今よりも夫の仕事が忙しかったし、何かをお願いしてもギリギリまで動かないので、当然私がやるしかありませんでした。
事務手続き、引っ越し準備、旅行の計画はすべて私の仕事。
引っ越しのときに私がブチキレたことがありました。
最後の荷物を送る日を決めていたので、それに合わせて私一人でせっせと荷物の整理をしていたんです。
夫にも早くから伝えていました。
「〇月〇日に最後の荷物を送るから、それまでに自分の洋服の整理をしておいてね。いらないものは捨てて最低限でいいと思うよ~」
って。
それまでに夫も何日か休みがあったんですが、休みになれば一日中転がってスマホ漬け。
なかなか荷物を整理しようとしません。
「荷物大丈夫なの?」と私が聞くと
「うん、もうほとんどないから」とのことなので安心していました。
しかし!荷物を送るというその当日。
私は「ほとんどない」という言葉を信じて、段ボールにわずかな隙間しか残していなかったんですね。
「もう、そろそろ段ボール閉めるから最後の荷物持ってきてー!」
というと、数分前までスマホをいじっていた夫がようやく動き出し、大量の洋服を持ってきて私の目の前に山積みにしたんです。
さすがにこれには私も腹が立って
「ずっと前から言ってるでしょ!なんでギリギリになってこんな山のような荷物持ってくんのよ!もう入れる場所もないよ!」
って怒鳴り散らしてしまいました。
大事なことでもアスペルガー夫はこんな感じなんです。
でもいつも何とかなってきた。
いや、周りの人が何とかしてくれてるんです。
うちのことは私がいつも何とかしてきた。
それを彼は全く分かっていないんです。
転職前までは「仕事が忙しいからそんな余裕もないのかな・・・」と思っていましたが、これは転職後も変わらず。
転職活動中もハローワークへ行くこと、履歴書の準備、面接の準備、スーツの準備…全部の手配や準備を私がやるはめになりました。
だって、本当に自分で動かないんだから。
その頃から「こいつは何を考えてるんだ?やる気あんのか?」と正体不明の違和感がふつふつと湧き上がっていったんです。
アスペルガー夫に大事なことは一切任せられない
こんな調子だから、夫には大事なことは一切任せられなくなっていました。
- いろんな事務手続き
- 子どもたちの保育園や学校の書類
- 学校や地域の役員の仕事
- 子どもたちの病院
- 子どもたちの送り迎え
などなど、安心して頼めることが何一つありません。
それどころか、夫自身が何かやらかすんじゃないか、ということまでチェックしなきゃいけないから、私の負担はどんどん大きくなっていったんです。
本当に気が休まる暇がない・・・
さいごに
夫がアスペルガーかもという疑いから確信に変わった今。
計画することが嫌いとか疲れるというのは、できないから、苦手だからなんだということがわかってきました。
私は自分に言い聞かせています。
「これは脳の機能の問題だから、夫自身が悪いわけじゃない。」って。
でも私が一生懸命やってきたことを、あんなふうに言われてすごく悲しかった。
口論になったときの夫は、私が口を挟む隙もないほど早口で、自分がいちばん正しいという方向に持っていくのがうまいんです。
もともと口数は少ないほうなんだけど、他人に見栄を張りたいとき、自慢したいとき、そして私と口論になるとき、なぜかこういうときは雄弁になるんです。
だから頭の回転がめっちゃ良くてキレッキレな人に見える。
実際、小さい頃から勉強はできたし成績も良かったから、私も発達障害について知識がないときは「こんな優秀な人が、こんなことできないはずがない」っていう思いばっかりでした。
そんな思いが積み重なって気が付いたら心がすり減っていたんです…
夫が悪いわけではない。
でも、だからって、私のこの疲れ切った心と体はどうしたら元に戻るの?
どうやったら私は笑えるの?
そんなことを考える日々が続いています。